デジタルマーケティングが主流になりつつある現代、データ分析を行うデータサイエンティストが増えてきています。会社で実績を積み、独立して稼いでいる人も多いでしょう。この記事では、データ分析で独立をする事前準備事項と、案件獲得方法や年収アップの方法について解説します。
データサイエンティストがフリーランスとして独立する前に準備すること
会社を辞める前に、準備しておかなければならないことはたくさんあります。何も準備せずに退職してしまうと、思わぬ落とし穴に気づき、ほとほと困ってしまうことがあります。また、フリーランスになるということは、それまで会社がやってくれていた諸手続きを、全て自分でやらなければなりません。
それでは、会社を辞めるまでに最低限必要な準備事項について、詳しく見ていきましょう。
会社で十分な実務を経験する
これまでは、企業のデータサイエンティストとして、営業がとってきた案件をこなしていました。しかし、これからは自分で仕事を探さなくてはなりません。それなりの実績を会社で積んでおかなくては、フリーランスになってから契約をとっていくのは困難です。したがって、会社を退職する前に、データサイエンティストとしての実績を多く積んでから独立しましょう。
会社員のうちに用意しておくべきもの
これまではサラリーマンなので信用があり、さまざまな審査を通過してきたと思います。フリーランスになると、これまで当たり前であった契約が難しくなるケースも出てきます。それぞれ、解説していきます。
審査が必要なものの手続き
フリーランスになりたての頃は、信用がないため借金をしたり、引っ越しをしたりする場合には審査が通りにくくなります。したがって、賃貸契約の引っ越しの予定がある場合や、新しくクレジットカードを契約する予定がある場合は、会社員のうちに済ませておくのも手段の一つです。
また、その他のローンを組む予定がある場合は、辞める前にローンを組むのか、フリーランスとしてある程度成功してからローンを組むのかを、慎重に考え行動しましょう。なお、日本政策金融公庫などの政府系の銀行では、「新創業融資制度」という制度もありますので、必要あれば活用するのも一つのアイデアです。
“日本政策金融公庫 国民生活事業では、新たに事業を始める方や事業を開始して間もない方に無担保・無保証人でご利用いただける「新創業融資制度」をお取り扱いしています。 (日本政策金融公庫ホームページより引用) ” |
事業用銀行口座の用意
これまで、年末調整は会社が実施してくれていましたが、フリーランスになると自分で確定申告をしなければなりません。また、これはマストではありませんが、プライベート用と事業用の銀行口座を分けておく方が、確定申告の際に何の用途で購入した備品なのかが明確になりやすいでしょう。
年金と健康保険の切り換え
こちらは実際に会社を退職してからの手続きです。退職後の健康保険は、親の扶養もしくは配偶者の扶養にならない場合は、国民健康保険に切り替えるか、現在の会社の健康保険組合を任意継続するかのどちらかになります。国民健康保険にきりかえる場合は、退職後14日以内に自分の住んでいる地域の役所へ行って手続きを行います。任意継続の場合は、退職後20日以内に申請をすれば2年間にわたって継続して同じ健康保険組合に加入できます。保養所などの施設やその他の福利厚生も引き続き同じように利用できます。両者とも、前期の収入によって保険料が決定されます。いずれも、これまで会社が半分を支払ってくれていたので、倍の料金を支払う必要があります。自分で調べても分かりにくい場合は、現在の健康保険組合に相談すれば教えてくれますので、電話してみましょう。
データサイエンティストがフリーランスとして案件を獲得する方法
データサイエンティストの中には、プリセールスをしている人もいるでしょうし、会社の営業が受注した案件を担当するケースもあると思います。フリーランスになるということは、会社員の時のように仕事をとってきてくれる人はいないので、自分で仕事を見つけなくてはなりません。ここからは、フリーランスになってから、実際どのように案件を獲得すればよいのかについて解説していきます。
フリーランスエージェントを活用する方法
フリーランスになったばかりの人におすすめな方法が、フリーランスエージェントを利用する方法です。フリーランスエージェントは、自分に合った仕事を紹介してくれ、プロの目線でクライアントを選別してくれるからです。また、契約に関する手続きなども代行してくれるので、初心者は安心して任せられます。
クラウドソーシングサイトを活用する方法
クラウドソーシングサイトとは、仕事を依頼したい企業・個人と、仕事を探しているフリーランスとのマッチングサイトです。例えば、クラウドワークスやランサーズなどがあります。仕事を依頼したい企業が掲示した募集要項に対して、文章を作成し提案をします。要は、自分から企業へ営業をかけるということになります。フリーランスになりたてで、実績がない人が仕事がとれるようになるまでには、少し時間がかかるでしょう。
前職・友人・知人からの紹介から受注する
会社の辞め方が円満退職で、独立に関してウェルカムな企業であった場合、仕事を紹介してもらえるケースもあります。また、クライアントとの人脈が多ければ、他の部署や顧客を紹介してくれることもあるでしょう。データサイエンティストは、まだまだ市場に少ないので、紹介やコネで人材を探している企業が多いと言われています。人脈の広い人であれば、友人や知人から巡り巡って、仕事の紹介へとつながる場合もあります。
データサイエンティストがフリーランスで単価を上げる方法
データサイエンティストが、フリーランスで単価を上げていく方法はさまざまあります。
それぞれ見ていきましょう。
資格の取得
データサイエンティストの特別な資格はありませんが、仕事内容に通じる資格を取得していれば、企業へのアピールポイントになり、単価のアップも期待できます。関連する主な資格は以下の通りです。
- 統計検定2級以上
- Python3 エンジニア認定データ分析試験
- OSS-DB技術者認定試験
- G検定・E資格
- オラクルマスター
- 応用情報技術者試験
幅広い業務をこなすスキル
データサイエンティストとして単価を上げるためには、幅広い業務をこなすスキルが重要です。例えば、プロジェクトマネージャーで、プロジェクト全体を統括する経験や、デジタルマーケティングに関する知識を積むことで価値が高まります。
プリセールスをこなせるコミュニケーション能力
会社員時代は営業とともに、客先でのプレゼンや分析後の説明をしていた人もいるでしょう。フリーランスでは、自分で全てを説明できるプリセールスのようなスキルが必要となってきます。自分で出した分析結果を元に、マーケティングに関する説明ができるようになれば、コンサルティング事業としても立ち上げることができるのではないでしょうか。
英語を身につける
最後に、英語を身につけることにより、海外の案件を受注できるようになると更に単価アップが図れます。どの業界でもそうですが、日本では英語のできる技術者は大変重宝されます。企業との専属契約を結ぶことも、難しくないでしょう。
データサイエンティストがフリーランスで年収を上げる方法【まとめ】
時間や場所を選ばないフリーランスという働き方が注目されています。デジタルマーケティングが主流になりつつある昨今、希少価値のあるデータサイエンティストとして独立するのはとても夢があります。会社員では自分の給与は決められません。しかしフリーランスとなり、仕事を受注するコツがつかめれば会社員時代の何倍もの年収を稼ぐことも可能です。この記事が、データサイエンティストがフリーランスになるための一助になれたら幸いです。
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